この記事では、認知症でも安全な暖房器具について書いています。
寒い冬を乗り切るのに欠かせない季節家電、暖房器具。
冬場の強い味方である一方、暖房器具は火災やヤケドなどの原因となることもあります。
高齢者、特に認知症の方がいる家庭では、暖房器具の安全性に不安を感じる方も多いでしょう。
安全に暖房器具を使用するためには、あらかじめ危険・リスクを避けた製品を選ぶことが重要です。
今回は、認知症でも安全な暖房器具についてまとめました。
安全な暖房器具の選び方やおすすめの暖房器具を8選でお伝えしていきます。
高齢者や小さな子どもがいる方など、安全性の高い暖房器具を探している方はぜひ参考にしてくださいね。
認知症でも安全な暖房器具の選び方は?
それでは早速、認知症でも安全な暖房器具の選び方から紹介していきます。
認知症でも安全な暖房器具は、避けたいリスクに応じて選ぶことが大切です。
暖房器具において想定すべきリスクは、主に次の3つが挙げられます。
- 火災
- ヤケド
- 一酸化炭素中毒
リスクをできるだけ遠ざけることで、認知症でも安全に暖房器具を使用できます。
前述の3つのリスクを避けるには、以下のような特徴を持つ暖房器具を選ぶとよいでしょう。
- 暖房器具の表面温度が低い
- 熱源の温度が高くなりすぎない
- 熱い部分に直接触れにくい
- 安全機能の搭載
- 不完全燃焼が起きない・起きにくい
火災・ヤケドを防ぐには、表面温度や熱源が熱くなりすぎない製品が適しています。
また、一酸化炭素中毒を避けるには、燃料を使用しない暖房器具を選ぶことが最も効果的です。
それぞれ、見ていきましょう。
暖房器具の表面温度が低い
認知症でも安全な暖房器具の選び方として、暖房器具の表面温度が低いものが望ましいです。
暖房器具の表面温度が低いことで、誤って触れた場合もヤケドのリスクを下げることが可能です。
表面温度が低いことで、万が一、家具・衣類との接触が起こった場合にも、発火や引火を抑えることができます。
熱源の温度が高くなりすぎない
熱源の温度が高くなりすぎないことも、安全な暖房器具の選び方のポイントです。
暖房器具の熱源が高くなると、ヤケドや火災のリスクが高くなります。
一方、輻射熱(ふくしゃねつ)を使用するパネルヒーターは、高温になりすぎないので安全性が高いです。
熱い部分に直接触れにくい構造
安全な暖房器具は、熱源など熱い部分に直接触れにくい構造になっていることも重要です。
暖房器具の表面温度が熱くなりすぎないことも大切ですが、熱い部分があっても触れることができなければ問題はありません。
オイルヒーターやパネルヒーターは、熱い部分に触りにくい工夫が施されている製品が多くあります。
熱い部分に触れにくい構造であれば、指や小さなものが入り込む心配も少なく、ヤケドや火災を防ぐことが可能です。
安全機能の搭載
チャイルドロックや転倒時に作動する安全装置が搭載されている製品も、安全な暖房器具の目安です。
転倒時に自動で電源が切れる機能があれば、万が一の時にも安心です。
また、操作ミス等による過熱を防ぐには、チャイルドロックがついている暖房器具を選ぶとよいでしょう。
温度センサーや長時間の使用で自動で電源を切る製品もあるため、使用方法に応じた安全機能を選ぶことがおすすめです。
不完全燃焼が起きない・起きにくい
安全な暖房器具の選び方には不完全燃焼が起きない、あるいは起きにくい製品を選ぶ方法もひとつです。
ストーブやファンヒーターで不完全燃焼が起こると、室内の一酸化炭素が急激に増加します。
一酸化炭素濃度が上昇すると中毒を引き起こし、最悪、死に至ります。
ガスや石油などの燃料を使用するストーブやファンヒーターでは、不完全燃焼が起こるリスクがあります。
一方で、燃料を使わない暖房器具であれば一酸化炭素中毒の心配がなく、安心して使用できるでしょう。
認知症でも安全な暖房器具おすすめ8選
続いては、認知症でも安全な暖房器具を8選でお伝えしていきます。
カテゴリ別に製品を紹介していくので、あなたにとってより利便性の高い製品を見つけてくださいね。
セラミックファンヒーター
セラミックファンヒーターは、認知症でも安全な暖房器具のひとつです。
また、遠赤外線の熱が放射されることで、即暖性にも優れています。
一方で、広い空間を温めるのは苦手なので、寝室やひとり部屋などで使用するのがおすすめです。
お部屋に常設して使用する大型のセラミックファンヒーターでおすすめなのが、「ダイソン Purifier Hot+Cool 空気清浄ファンヒーター」。
運転中の送風口が高温になり過ぎないことや転倒しにくい形状に加え、転倒時自動停止機能付きなので、安全性の高さも十分と言えます。
持ち運びできるセラミックファンヒーターでおすすめなのが、「siroca CUBESH-CF151」。
転倒時電源オフや異常過熱検知機能、自動運転停止など安全装置もしっかり搭載されています。
送風口が足元の低い位置にあるため、手が触れにくいこともポイントですね。
オイルヒーター
安全性の高い暖房器具には、オイルヒーターも挙げられます。
輻射熱を使用することで空気のよごれや乾燥を防ぎながら、お部屋全体をじんわりと暖めることができます。
安全性の高いオイルヒーターの中でもおすすめなのが、「デロンギのベルカルド RHJ75V0915-GY」。
すきまに指が入りにくい構造や本体上部に物が入らないメッシュ構造など、安全性の高い工夫が施されています。
ecoモードやタイマーを上手に使用することで、従来品と比較して電気代が半分ほどにできることもポイントです。
パネルヒーター
脱衣所やトイレなど限られた空間を暖めたい場合におすすめなのは、パネルヒーターです。
冬場のヒートショック対策にも効果的なので、認知症・高齢者への安全性の高い暖房器具です。
ナカガワ工業のアルミパネルヒーター「イコロ i-750」は、火事やヤケドの心配の少ない暖房器具です。
表面温度が最高60℃ほどなので接触してもヤケドの心配が少なく、衣類が触れてもすぐには燃えにくくなっています。
特徴的な湾曲した形状のパネルで、少ない電力でしっかり暖かくすることができ、経済的です。
コンパクトなので、トイレや脱衣所など限られたスペースでもジャマにならずに設置できます。
窓側からの冷たい空気をシャットアウトしたいなら、「デロンギ コンベクターヒーター HXJ60L12」がおすすめです。
本体を冷気が入り込む窓側に置くことで、部屋の温度を下げるのを防いでくれます。
また、窓際に設置するため室内の導線を塞ぐことがなく、転倒や接触のリスクが低いこともポイントです。
遠赤外線パネルヒーター
遠赤外線パネルヒーターも火災や一酸化炭素中毒の心配がなく、安全な暖房器具です。
一方で、製品によってはパネルの温度が高くなる可能性があるので、購入前に製品をしっかり確認してください。
お部屋の温度を一定保つことができるため、温度変化を感じにくい認知症の方にも向いています。
ゼンケンの「超薄型 アーバンホット RH-2201」は、遠赤外線パネルヒーターの中でも安全性の高い一台です。
触れてもヤケドの心配の少ない加工を表面に施していて、転倒時安全装置が床面に接触する前に作動するのもポイント。
衣類などが触れてもすぐに燃える心配が少なく、切り忘れ防止タイマーなどもついていて高い安全機能を備えています。
株式会社アールシーエスの暖話室1000型(植毛加工モデル)は360度全方位を暖めることができる遠赤外線パネルヒーターです。
触っても熱くなりにくい植毛加工を本体上部・上部のネジ部分・柵に採用し、さらに安全性を高めているのもポイントです。
全方位の暖房が必要ない場合には、片面の電源を入れずに使用することもできます。
一定よりも高い電流が流れた場合には、ヒューズを切って通電を遮断することで火災の発生も防ぐことが可能です。
株式会社アールシーエスの夢暖望1200型はワイドサイズで11畳まで暖めることができる、暖房能力の高い暖房器具です。
また、衣類がかぶさった場合や転倒時には安全装置が作動し、自動で電源オフされるのもポイントです。
トラッキング火災を防止するためにプラグの根本がコーティングされていることなど、高い安全性を誇っています。
まとめ
今回は、認知症でも安全な暖房器具についてお伝えしました。
安全な暖房器具を選ぶ際のポイントは次の5つです。
- 暖房器具の表面温度が低い
- 熱源の温度が高くなりすぎない
- 熱い部分に直接触れにくい
- 安全機能の搭載
- 不完全燃焼が起きない・起きにくい
暖房器具には火災やヤケド、一酸化炭素中毒などのリスクがありますが、上手に選ぶことで安全に利用できます。
高齢者・認知症のご家族は、特に暖房器具の安全性に気を使う方も多いです。
リスクを低減できる暖房器具を選ぶことで、ご本人もご家族も安心して過ごすことが期待できます。
ぜひ、今回紹介した内容を参考に、安心して使用できる暖房器具を選んでくださいね!